5位 ノロイ

rakuten.co.jp

作品情報
公開日/2005年8月20日
監督/白石晃士
出演/小林雅文｜松本まりか｜アンガールズ

あらすじ

怪奇実話作家の小林雅文の自宅が全焼。
妻は焼死したが、小林自身の行方は不明だった。
小林は、数々の怪奇現象を収録したドキュメンタリー番組「ノロイ」を完成させたばかり。
その因果はあるのか……。
また、心霊バラエティ番組に出演していた松本まりかの身の回りにも奇妙な出来事が起き始める。
そんな中で浮かび上がった“ある言葉”を元に、真相の追求が始まるが……。

解説

ホラー映画の表現方法としてはすっかり定番となったモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)。
1999年公開の「ブレアウィッチプロジェクト」を皮切りにこれまで大量のモキュメンタリーホラーが公開されました。
低予算で臨場感あふれる映像を撮れることから、ホラー映画との相性は抜群です。
こちら「ノロイ」を手掛けた白石晃士監督は「ほんとにあった！ 呪いのビデオ」シリーズなども手掛け、この分野での日本代表と言っても過言ではありません。
 
「ノロイ」の事件の舞台は心霊バラエティー番組内。
夏の風物詩としてよく見る特番に、アンガールズなど実在の芸能人が本人役でそのままでてくるので「え？これ本当に映画？」と思わせる斬新な手法が取られています。
「ノロイ」はホラー好きの中では隠れた名作とされ「今まで観たホラー映画の中で一番怖かった」と言う人も……。
 
オカルト番組内で出演者が発狂していく姿は、正直、ただただめちゃくちゃ恐ろしいです。
フェイクなのか現実なのか……その不安を煽りつつ、ストーリーはふせんを綺麗に回収していくのでフィクションとしての見応え十分です。
モキュメンタリー作品としてのリアリティはもちろん、脚本が秀逸と呼び声も高いこの作品。
フェイクドキュメンタリーに苦手意識のある方でもエンターテインメントとして十分楽しんでいただける内容になっています。
 
とある呪いの言葉の真相が迫る中で、物語は急展開してきます。
最後までお見逃しなく！

4位 残穢 ―住んではいけない部屋―

rakuten.co.jp

作品情報
公開日/2015年1月15日
監督/中村義洋
出演/竹内結子｜橋本愛｜佐々木蔵之介｜坂口健太郎

あらすじ

ある日、ホラー小説家の「私」(竹内結子)は、女子大生の「クボさん」(橋本愛)に手紙をもらう。
そこには、引越し先のマンションの部屋で起きる怪奇現象について記されていた。
調べていくうちに「クボさん」の部屋だけではなく、他の部屋の住人も、奇妙な現象に襲われていることが発覚する。
中には謎の死を遂げる人も……。
それは、時代と場所を超えた怨念がもたらす恐怖の始まりだった。

解説

いわゆるホラー映画といえば、ためてためて、どーーーん(幽霊の怖い顔が画面にばーん)！！
……というお化け屋敷的に恐怖を煽るシチュエーションが必要不可欠ですが、残穢はそのテイストとは一味違います。
終始、じわじわと……不安と気味の悪さを登場人物たちと共に感じながら物語は進んでいきます。
序盤からラストまで、背筋がぞわっとしたままという薄気味悪さがこの映画のポイントです。
ワッと驚かせるようなびっくり要素やグロテスクさに頼らないじんわりした恐怖が味わえます。
 
こちらも古今東西ホラーの定番、“家”にまつわる呪いがテーマですが、残穢はまるでミステリーのように謎解きをしていく展開があり、サスペンスホラーとしても引き込まれます。
ストーリーに没頭すればするほど、連鎖していく“穢れ(けがれ)”の恐ろしさが身に迫ります。
 
「私」を演じる主演の竹内結子さん「クボさん」を演じる橋本愛さんはじめ、登場人物が揃ってとても魅力的で、作品をしっかりと引き締めてくれています！
そのほか豪華な出演陣も、どこかみんな淡々と、飄々(ひょうひょう)としていて、普通のホラー作品のように恐怖に脅かされて発狂してしまう…などという表現がありません。
それが、この映画の不思議な魅力となっているので、ぜひ役者陣の演技にもご注目ください。

3位 仄暗い水の底から

rakuten.co.jp

作品情報
上演日/2002年1月19日
監督/中田秀夫
出演/黒木瞳｜水川あさみ｜菅野莉央｜小日向文世

あらすじ

離婚調停中の淑美(黒木瞳)は、夫と同居を解消し、娘の郁子と2人で新しいマンションに引っ越す。
夫はまるでいやがらせのように親権を主張し、淑美は精神的にも経済的にも追い詰められていた。
どうにか始まった母子2人での生活だったが、屋上に落ちていた子供用の赤いバッグを発見したことをきっかけに、奇妙な出来事が起こり始めるようになる。
そんな中、過去に近くで幼い少女が行方不明になったことを知った淑美。
そのころ娘の郁子は、彼女にしか見えない友達との交流をはじめ……。

解説

ホラー界の２大レジェンド、原作・鈴木光司×監督・中田秀夫がタッグを組んだこちらの作品。
水を象徴的に扱う、いかにも日本的なホラーの手法と、斬新な展開が印象的な作品です。
ホラー作品として怖いのはもちろん、作品中に終始漂う寂しさや悲しさが、かなりずっしりくる作品です……。
物悲しく降り続ける雨、母子家庭の生きづらさ、元夫に子供を奪われそうになる理不尽、親を待つ子供の寂しさ。
必死に、そしてなんとか平穏な日常を手に入れようと健気に生きる母・淑美(黒木瞳)と娘の幸せを願ってやみません。
ただ、そこはホラーですからね……さまざまな恐怖に襲われるわけです。
幽霊も出ますし、びっくりもしますが、根底にある母親が子供を思う心に、胸が締め付けられます。
ストーリー性も高く、とくに子役の演技力も圧巻です！
夫婦の離婚調停や、新しい職場、子供の幼稚園……、描かれるすべての人間模様はずっしりと重くリアリティがあり、物語を引き立てますよ。
 
そして「最高傑作！」と評される一方、「胸糞」という罵声も聞こえてくるのがこの作品。
この後味をどうとらえるかは、見た人次第です。
賛否を呼んだ結末をぜひその目でお確かめください！
 
こちらはハリウッドで「ダーク・ウォーター」としてリメイクされています。
ストーリーはかなり日本版に忠実ですが、恐怖の肌感覚が異なるためか、雰囲気や見せ方が少々違うので、そこも見どころですよ。

2位 呪怨

Rakuten.co.jp

作品情報
上演日/2003年1月25日
監督・脚本/清水崇
出演/奥菜恵｜伊東美咲

あらすじ

ある日、介護ボランティアをする女子大生の仁科理佳(奥菜恵)は、寝たきりの老人の様子を見るために、ある家に入った。
そこは、家族が次々と不幸に見舞われ、正気を失い、やがて命を奪われる“呪われた家”。
住んでいる家族だけではなく、その家に関わったもの全てに、不幸は次々降りかかるのだった。
最恐の悪霊、伽耶子とその息子の俊雄の深すぎる怨念がもたらすオムニバスストーリー。

解説

この世に深い恨みを抱いたまま無残な死を遂げた伽椰子が、その不幸の現場となった家に強い呪いを掛け、その家にまつわる人々が次々呪い殺されるという絶望感溢れるオムニバスストーリーになっています。
その呪われた家に足を踏み入れたら最後、絶対に助かることがないという展開は本当に絶望そのものです。
家を舞台にしたホラー作品は古今東西定番ですが、その中でも呪怨の伽椰子と息子の俊雄タッグは最恐で最強。
これまでの日本のホラー映画では控えめにしか姿を出さず、ここぞというところでラスボス的にしか現れなかった幽霊ですが、伽椰子と俊雄は何度も惜しみなく登場してくれる素晴らしいサービス精神(？！)です。
 
伽椰子はもちろん、白塗り姿の少年である俊雄の怪演は圧倒的で、夢にまで出てきそう……。
「絶対に解決できる気がしない」という絶望感こそが呪怨の魅力なのです。
 
劇場版の前にビデオ版として「呪怨」は低予算で制作されました。
発売当初は全く売れませんでしたがその恐ろしさから口コミで話題を呼び、劇場版が制作されました。
劇場版はもちろん豪華ですが、ビデオ版も実に秀作なので、興味がある方にはどちらもおすすめです。
ビデオ版ではより深く、生前の伽椰子の不幸で壮絶な過去が明らかになっています。
その後のシリーズ展開では、例の“もう一人のホラー界のレジェンド”との奇想天外な頂上対決などもありますので……お楽しみください。
 
ハリウッドでリメイクされた「THE JUON/呪怨」も清水監督が撮影を引き継ぎ、舞台も日本のままということで大きな話題を呼びました！
日本版に忠実な内容になっていて、オリジナルファンも大満足のリメイク版になっています。

1位 リング

GEO

作品情報
上映日/1998年1月31日
上演時間/95分
監督/中田秀夫
原作/鈴木光司
出演者/松嶋菜々子｜真田広之｜中谷美紀

あらすじ

女子高生たちの間で広がる「呪いのビデオ」の噂が広まり始めた。
そのビデオを観た者は、七日後に確実に死ぬという。
その頃、テレビ局のディレクター浅川玲子(松嶋菜々子)は、奇妙な死亡事件が続くことに違和感を抱き始める。
事件を追う中で玲子も呪いのビデオを観てしまうが、恐怖と戦いながらもなんとか助かるべくビデオのメッセージの真相を追う。
やがて見えたてきたものは、無惨にも殺害された貞子という女の悲しすぎる運命と、彼女による壮絶な怨念だったが……。

解説

不動の１位はこちら！
ジャパニーズホラーの大ブームを世界中に巻き起こした金字塔「リング」は、絶対に外せないですよね。
鈴木光司著の小説を映画化した作品です。
 
映画本編を見たことがない人も、白いワンピースを着て長い黒髪を振り乱す貞子の姿は目に浮かぶのではないでしょうか。
今やホラーの枠を飛び出てマスコットのような(？！)扱いを受けている貞子ですが、映画公開時のインパクトはすさまじいものがありました。
 
「リング」は貞子による呪いやその姿が恐ろしいだけでなく、ストーリー展開がとにかく秀逸です。
不幸の手紙やチェーンメールのように、女子高生たちの間で広がる“ビデオを通して伝染する”呪いの噂話は、日本人なら誰でもイメージできやすくヒヤリとするもの。
登場人物たちに突きつけられる【ビデオを観たら7日後に死ぬ】というタイムリミットが迫る緊張感は恐ろしく、見ている側もドキドキが止まりません。
 
同時に描かれる貞子の悲しすぎる不幸な過去と、主人公の浅川礼子(松嶋菜々子)が子供を守るために恐怖と戦う姿は胸に迫るものがあります。
謎解きのように少しずつ貞子の正体に迫り、その中でもジワジワと死が迫っているという臨場感は圧倒的ですよ。
 
そして、ご存じ、貞子が井戸から這い出てテレビから飛び出る、絶叫もののクライマックスシーンは世界を震撼させました。
鑑賞後「テレビが怖い」とトラウマを訴える人が続出したことは言うまでもありません。
 
ぞわっとする後味のラストシーンも秀逸です！
 　
こちら「らせん」「リング２」以降も続編やシリーズ関連作品、ハリウッドリメイク版などがありますので、興味のある方は是非ご覧ください(シリーズ最後の方はもはやギャグという説も……)。
 
 
いかがでしたか？
以上、よりすぐりのジャパニーズホラー５選です。
 
今後も、洋画ホラーや、発表されたばかりの最新作などもご紹介していきたいと思います！
人間の狂気を描いたサイコスリラーや、大人気のゾンビパニック、殺人鬼ものやスプラッターなど、ジャンルが多彩なホラー映画には根強いファンも多く、ご紹介したい名作が盛りだくさんです。
 
眠れない夏の夜のお供に……涼しい時間を過ごしてくださいね。
 
 
text：南々井梢