「セックスレス」そのものより重要なこと

 
冒頭でも述べましたが、セックスレス問題がこじれるのは「セックスへの価値観の違い」が露呈してしまった瞬間です。
お互いに「したくない」「セックスしなくても自分たちは愛し合っている」という認識さえ合っていれば、2人にとっては何も問題はないわけです。
どちらかがしたいのに、相手はしたいと思っていない。
そのズレに気づいてしまうことで、お互いがすれ違ってしまうのがセックスレス最大の問題であるわけです。
 
「愛しているからセックスしたい」という感情と「愛しているからこそ、セックスはなくてもいい」という感情は、どちらも間違っていないと思います。
正解がないからこそ、落としどころを見つけられないカップルもたくさんいます。
 
大事なのは、セックスにおける価値観がずれてきた時に、どこまで相手のためにお互いが価値観を寄せていけるかなのです。

あなた自身が「したくない」場合

 
まず、女性側が「したくない」、男性側が「したい」と考えている場合。
これはどちらもおかしいことではありません。
セックスがしたい男性に対して「身体目当てなんでしょ」と考える女性もいますが、実際に長い間交際していれば、身体だけを理由に付き合っているわけではないということは分かるはずです。
 
だから、あなた自身も彼としたくなるような工夫をしてみる必要があるはずです。
抵抗はあるかもしれませんが、性欲は三大欲求の一つですから「したい」と思うことは恥ずかしいことでもなんでもありません。
それでは原因別で対処法をお伝えしていきます。

1.彼とのセックスが気持ちよくない場合

彼とのセックスが気持ちよくないと、セックスに対する優先順位そのものが下がってしまうのは仕方がないことかもしれません。
しかし、まずはお互いに気持ちよくなれるように、少し努力をしてみてもいいと思います。
 
まず、彼と話し合ってみることが重要です。
何も言わずにしなくなった状態よりも、本音で気持ちを伝えた方が彼も安心できます。
彼のテクニックに原因があるなら、それをはっきり伝えてみるのもいいでしょう。
 
マンネリが原因で、いつの間にかセックスが作業のようになってしまっている場合もあります。
ホテルや旅館を利用したり、たまには友人とダブルデートに行ってみるなど、ムードを作りやすいシチュエーションを演出してみるのもいいでしょう。
下着を新調したりするだけでも、テンションが上がる場合もあります。
自分から能動的に動いてみることも、たまには大切です。

2.性欲がないと感じる場合

お相手に限らず、セックスそのものが好きではない、気持ちよくないと感じる人もいます。
精神的な部分が理由であることも多いですが、セックスという行為は、そもそも気持ちが乗らないことには気持ちよくならないものですから、あなた自身がセックスに乗り気になれないと、行為を楽しむことはできないでしょう。
 
しかし、中には「シンプルに経験が足りないだけだった」「成功体験がなかっただけ」という場合もあります。自分で触ってみたり、キュンとするような女性向けのAVを見てみたりするだけでも、セックスへのいいイメージが膨らむこともあります。
 
最近では女性用風俗の認知も広まっており、経験が足りないことを補う理由での利用者も増えているようです。
無理にとはいいませんが、性欲のなさが彼との関係に影を落としているなら、むしろ割り切って一度利用してみるのもいいでしょう。

彼が「したくない」場合

 
自分が「したくない」側にいる時よりも、お相手に「したくない」と拒絶される側になった時の方が、不安が大きいと思います。
センシティブな問題なので、なかなか話し合いで解決できないことも多く、自分を責めてしまう人も多いです。
彼の方が心を閉ざしてしまう場合もありますが、セックスレス問題は「お互いが向き合う」という姿勢がとても重要。
責めず怒らず、彼の気持ちを理解するところからやってみましょう。
今度は男性側がしたくない場合のセックスレス解消法をお伝えしていきます。

1.彼に性欲がないわけではない場合

同棲していたり、一緒にいる時間や付き合いが長い場合だと、彼の性欲に気づいてしまう瞬間もあるでしょう。
たとえば、イチャイチャしたりキスしている時に、勃起はしているのに、ということに気づいたり。
自慰の形跡に気づいてしまったり、風俗利用に気づいてしまった場合などもありますね。
 
男性の性欲処理は生理的なものなので、自慰や勃起はとても自然なことです。
あなたに好意があるかどうかに関係なく、自慰することも勃起することもあります。
だから「性欲があるけど、なんとなくセックスはしたくない」というのは、あなたのことが嫌いだから、興味がないからではないということは忘れないでください。
 
しかし、仕事が忙しかったり、セックスにマンネリしていたりで、優先順位が下がるケースはあります。
まずは、彼のそういった状況を受け入れてあげること。その上で、でも自分はしたい、ということを伝えるのが大切です。
話しづらい問題なので、逃避したくなる男性もいるでしょう。
しかしそこはぐっと捕まえて、まず彼の気持ちをしっかり聞いてみてください。

2.彼の性欲がそもそも薄い場合

性欲が薄い、強いというのは、それぞれの性格ですから仕方ないことです。
性欲が薄いという彼は、「したくない」女性と同じように、精神的な部分でセックスにあまりいいイメージがないのかもしれません。
 
セックスがしたくないと思っている人に、無理に迫ってもセックスレスは解消できません。
インターネットに転がっている強精剤などを飲んでも、気持ちが上がらないことにはなかなか難しいでしょう。
 
その場合、じわじわと努力をしていくのが一番、彼にとってセックスに気が向きやすいのかなと思います。
普段からなるべく、カワイイあなたでいてあげること。
たまにはセクシーなギャップを演出してあげること。
ここぞというタイミングで旅行に行ったりラブホテルに誘ったりして、非日常な環境を作ってあげることなどです。
 
パートナーに無理強いはせず、かつあなたも無理せず関わってあげること。
彼の仲でセックスが特別なものでなく、自然なものになっていくように振る舞ってあげることが大切です。

最善の解決法はごくシンプル

 
セックスレス問題の解決策は、本当はとてもシンプルです。
お互いがお互いを、思いやること。
ただそれだけです。
したい側は、したくない側の気持ちを汲んであげること。
したくない側も、したい側を理解してあげること。
この思いやりがあれば「セックスしない」という極端な方法ではなく「する頻度を調整する」というすり合わせがうまくいくのです。
 
そのためには、2人の普段の関係値も重要になって来ます。
普段からお互いを思いやりあえていない2人では、セックスのことだって中間をすり合わせることは難しいでしょう。
長くセックスしていける関係が作れている人とは、関係も長続きしやすいですし、セックス問題が解決できない2人は、一緒にいてもどこか寂しい気持ちが残る関係になっていきます。
 
セックス問題には2人の日常の問題が凝縮される、と私は考えています。
解決できる2人なら、きっと人生で起こる大きな問題も解決していけますし、そうでない2人は、きっと他の問題もどんどんこじらせていくでしょう。
たかがセックスと見くびらず、2人の関係値の問題として、お互いに向き合う姿勢が取れるのかを、あなた自身見極めることも重要ですよ。
 
 
text：ミクニシオリ